
個人再生とは、総債務額を法定の基準に従って大幅に減額してもらい、原則3年間で分割して支払っていく手続きです。
多くの場合、100万円又は総債務額の5分の1の金額のどちらか大きい方を分割で返済することになります。返済金額が100万円の場合、月額28000円を36回支払えば、それで借金の返済は全て終了することになります。
破産せずに借金を大幅に減らすことができ、債権者としても一定額を返済してもらえるため、債権者債務者双方にメリットのある手続きといえます。
当職は、個人再生委員(※)の選任を要しない司法書士として、福岡県司法書士会が福岡地方裁判所に提出した推薦名簿(平成23年度版)に登録されています。
推薦名簿に登録された司法書士が申立書面を作成した場合、一部例外を除き、基本的には個人再生委員が選任されません。
安心してご相談ください。
※個人再生委員とは
個人再生の申し立てを行ったときに、裁判所が手続きに必要だと判断した場合にまれに選任されることがあります。
多くの場合、弁護士(地方によっては司法書士)が就任します。
個人再生委員は、申立人の収入や財産状況を調査するなど、中立・公平な立場から、再生手続き全般において裁判所の補助的役割を担います。
●自己破産の場合、原則として財産をすべて清算しなければなりませんが、個人再生は財産を処分する必要はありません。
●住宅を所有している場合も、住宅ローンはそのまま支払いながら、それ以外の債務について再生手続きをすることができます。
●借金の原因を問わないため、ギャンブルや浪費等による借金でも手続きができます。
●自己破産には、税理士、保険外交員や警備員など国家資格を要する一定の職業に資格制限がありますが、個人再生にはそういった制限がありません。
①負債総額が5000万円以下であること
住宅ローンや別除権を行使して回収できる額を除いた負債残高が5000万円以下でなければ個人再生を利用できません。
②債務者(申立人)が個人であること
法人は個人再生手続きを利用できません。法人は通常の民事再生を利用します。
③申立人に一定の安定収入が見込めること
自己破産と異なり、再生計画に従って各債権者に3年間毎月返済していく制度ですから、将来に向けて安定した一定収入が見込める必要があります。
個人再生には、「小規模個人再生」と「給与所得者等再生」があり、どちらで申立てをするかによって返済総額がちがってきます。
小規模個人再生の場合は、「最低弁済額」と「清算価値」のいずれか高い金額を、給与所得者等再生は、「最低弁済額」と「可処分所得」と「清算価値」で、最も高い金額を、原則3年間で支払っていくこととなります。
小規模個人再生は、本来個人事業者向けに創設されたものでしたが、会社員等の給与所得者でも利用することができ、給与所得者等再生を利用するよりも返済総額を低額に抑えることができるため、実際にはほとんどのケースで小規模個人再生が利用されます。
●「可処分所得」・・・過去2年の収入を参考に、政令で定める計算基準によって1年間の可処分金額(収入から住居費等を控除した額)を算出し、その額を2倍した金額のことです。
●「清算価値」・・・資産の総額のことです。自己破産であれば車や高級品、生命保険の積立金等を処分する必要がある場合もありますが、個人再生の場合は、最低でも資産の総額以上を返済していくことで、処分することを免れることができるのです。これを清算価値保証といいます。
●「最低弁済額」・・・次のとおりです。
最低弁済額
| 債務総額 | 最低弁済額 |
| ① 100万円未満 | その金額 |
| ② 100万円~500万円未満 | 100万円 |
| ③ 500万円~1500万円未満 | 1/5の金額 |
| ④ 1500万円~3000万円以下 | 300万円 |
| ⑤ 3000万円超~5000万円 | 1/10の金額 |
住宅ローン特則とは、住宅ローンの返済はそのまま続けながら、住宅ローン以外の債務を上記の再生計画に従い減額することができる制度です。これにより、住宅を手放すことなく生活の再建を図ることができます。
また、住宅ローンの支払方法を一定の範囲で変更することもできます。
住宅ローン特則を用いても残金が減額されるわけではありませんが、残金の一括請求を待ってもらったり、返済期間を延ばして毎月の支払額を減額してもらったりすることも可能です。
ただし、住宅ローン特則を使った場合の支払期限の延長期間は10年以内であることや、70歳までに完済する必要があるなどの一定の要件があります。
特則を利用できるかどうかについては、不動産登記簿謄本や返済スケジュール表などの資料を拝見して判断いたします。面談時にご相談ください。