Q 債務整理をすると家族に知られますか?
ご家族が保証人でなければ、連絡等がいくことはありませんので、電話連絡や請求書によって知られるということはありません。
しかし、個人再生手続では、世帯の家計表の作成や、同居のご家族の給与明細書、水道光熱費・携帯代の支払証明書、自己破産手続では、更に所得証明書、無資産証明書等を用意する必要がありますので、これらをご家族に知られずに集めるのはなかなか難しいでしょう。また、官報に掲載されることで知られる可能性はありますが、一般の方が見る機会は通常ありません。
任意整理では、このようなことがありませんので、知られる可能性は少ないです。
それでも、ヤミ金などは、平気でご家族に請求をしたりするので、絶対にご家族に知られないという保証はありません。
いずれにしても、同居のご家族には打ち明けられて、一緒に再スタートを切ることができればそれが一番です。
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Q 債務整理をすると会社に知られますか?
債務整理をしたことで知られてしまうということは基本的にはありませんが、給料が差押えられたりすると知られてしまいます。その前に専門家にご相談ください。
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Q 債務整理をすると保証人に請求がいきますか?
司法書士が債務整理を受任した旨の通知を送ると、債務者本人に対する請求は止まりますが、代わりに債権者は保証人に一括請求をしてきますので、あらかじめ保証人には十分に説明しておく必要があります。このため、保証人も合わせて債務整理するということもよくあります。
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Q 債務整理を依頼すると、取立ては止まりますか?
止まります。債務整理を依頼されたその日に、債権者に対して受任通知を送りますので、これにより貸金業者の取立が禁止されます。
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Q 債務整理すると、家族や子供の将来等に影響はありますか?
保証人にでもなっていない限り、家族や子供の就職や結婚、将来の借入等に影響はありません。また、家族の財産が処分されることもありません。配偶者と離婚する必要もありません。
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Q 債務整理すると、自動車は没収されますか?
信販会社でローンを組み、それを返済中の自動車には、通常、ローンを完済するまでは自動車の所有権を信販会社に留めておく特約(所有権留保特約と言います。)が付されているため、自動車のローンを債務整理の対象に含める場合、司法書士介入後は、自動車は債権者に引き揚げられることになります。
ただし、平成22年6月4日に最高裁判決が出たことで、自動車ローンの契約が、購入者の販売会社に対する自動車の売買代金債務を、信販会社が立替払いするという内容の場合、車検証の所有車名義が信販会社名義でなければ、破産・個人再生手続開始決定が出た後は、自動車の引き揚げに応じなくてもよくなりました。
しかし、その後、更に平成29年12月7日に最高裁判決が出たことで、自動車ローンの契約が、購入者の販売会社に対する自動車の売買代金債務を、信販会社が連帯保証するという内容の場合(例、トヨタファイナンス等)、車検証の所有車名義が販売会社名義となっていれば、自動車の引き揚げに応じる必要があることになりました。
したがって、所有権留保特約が付されている場合、原則、自動車は引き揚げられますが、破産・個人再生手続きの場合は、自動車ローンの契約内容、車検証の所有者名義によりますので、詳しくは、専門家にご相談ください。(ただし、軽自動車は、いずれの場合も引き揚げとなります。)
これに対し、銀行のマイカーローンなどは、通常、所有権留保特約が付されていませんので、自動車は引き揚げられずにすみます。
破産や個人再生で所有権留保特約付きの自動車のローンを債務整理の対象に含めなければならない場合、仕事上、どうしても車を手放せない等の事情があるときは、親族の援助により完済することを検討する必要があります。
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Q 親戚から一括返済のためにお金を借りるか、法的に整理をするか迷っています
業者との取引が長いのであれば、法的に整理されることをお勧めします。債権者が利息制限法以上の金利で貸し付けている業者であれば、利息制限法で引き直し計算すれば、借金が減額される可能性が非常に高いからです。
そのまま業者の主張する残額を一括返済してしまうと、過払いとなってしまい、それを取り返すのにまた新たな労力が必要となってしまいます。ただし、任意整理をすることにより、いわゆるブラックリストに登録されますので、以後の借り入れは困難となります。
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Q ブラックリストとは何ですか?
銀行、信販会社、消費者金融会社は、主に業界単位で信用情報機関に加盟しており、そこに利用者の取引に関する契約内容や返済状況等の情報を集約・共有し、貸し出し審査の参考にしています。くわしくは信用情報についてを参照ください。
その情報の中には、債務者の滞納情報、弁護士・司法書士の介入情報、破産情報などの「事故情報」も含まれており、この事故情報が登録されることを、一般に「ブラックリストに載る」といいます。事故情報だけを集めた「ブラックリスト」が存在するわけではありません。
金融機関等は、融資の際この信用情報を審査して判断をしますので、事故情報があれば新たな借入れは難しく、カードも使えないということになります。
これらの事故情報は、債務整理をすれば、5年から10年後に削除されますが、信用情報機関ごとに取扱いが異なりますので、詳しくは下記の各信用情報機関のホームページを参照ください。
消費者金融系 株式会社日本信用情報機構(JICC)
https://www.jicc.co.jp/
信販会社系 株式会社シー・アイ・シー(CIC)
http://www.cic.co.jp/index.html
銀行系 一般社団法人全国銀行協会(JBA)
http://www.zenginkyo.or.jp/
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Q 父の死後、私が父の債権者から返済を求められています。払う必要はありますか?
お父様が亡くなってから3ヶ月以内であれば、家庭裁判所で相続放棄の手続きをすれば、お父様の財産も放棄することになりますが、借金を支払う義務はありません。そのまま何もしなければ、お父様の財産も借金も相続することになりますので、借金を支払う義務がでてきます。なお、お父様が亡くなってから3ヶ月以上が経過していたとしても、それまで相続財産はないと思っていたのに、債権者から督促を受けてはじめてお父様の借金の存在を知ったような場合には、その督促を受けた時から3ヶ月以内であれば、相続放棄が可能です。
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Q 債権者から訴状が届いたのですがどうすればいいですか?
訴状や支払督促が届けられた場合、そのまま放置しておくと債権者の言い分がそのまま認められてしまい、財産や給料に差押えをすることが可能になってしまいます。
すでに支払いが困難な状態であれば、ひとまず答弁書や督促異議を出し、なんらかの債務整理を検討する必要があります。
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Q 10年以上返済せず放置していた消費者金融会社から、請求を受けました。どうすればいいですか?
何らかのご事情があって、返済できなかったものと推察します。
本来は返済すべきだったものですが、5年間(債権者が個人の貸金業者であれば10年間)一切返済していないということであれば、法律上消滅時効が成立し、債権者の請求する権利が消滅している可能性があります(ただし、途中で一度返済していたり、裁判等をされていたりする場合には、その時点で時効が中断します。また、裁判等をされている場合は、時効期間はその時点から10年間になります。)。
消滅時効は、時効が成立していることを相手に主張しなければ効果がありません。これを、「時効を援用する」と言います。
仮に時効期間が経過した後であっても、援用する前に1円でも支払ったり、返済を約束したりすると、時効の主張が難しくなります。また、架空請求の場合もありますので、安易に支払わず、まずは専門家にご相談ください。
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Q 債務整理(任意整理、自己破産、個人再生)に関して、弁護士と司法書士とで手続きに違いはありますか?
手続きの種類により若干の違いはありますが、一般の消費者の方の債務整理(任意整理、自己破産、個人再生)に関して言えば、違いはほとんどありません。
任意整理(債権者と分割払いの和解交渉)の場合
認定司法書士には、経済的利益が140万円以内の民事の紛争に限り、弁護士と同様に訴訟や交渉を代理する権限があります。
この経済的利益は、債務の総額ではなく、各債権者1社毎に計算して判断しますので、各債権者1社に対する債務額がそれぞれ140万円以内であれば、司法書士と弁護士とで手続きに違いはありません。
債権者1社に対する債務額が140万円を超える場合は、司法書士に交渉権限がありません。
自己破産・個人再生の場合
司法書士には裁判書類作成権限がありますので、自己破産や個人再生の申立書等をその債務額に関係なく作成することができます。この場合、作成した書類等は司法書士が裁判所に提出しますし、裁判所や債権者との間の事務連絡も特別な事情がない限り全て司法書士が行います。ご本人が直接、裁判所や債権者とやりとりする必要はありませんので、司法書士と弁護士とで違いは特になく、ご本人の負担も変わりません。
なお、全国的に東京地裁だけは、自己破産や個人再生の申立てについて弁護士を優先する特殊な取扱いをしていますが(これも現在改善が進んでいます)、福岡地裁においては、取扱いはほとんど変わりません。
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